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Special interview POOL inc.

クリエイターに聞く、
三幸コーポレーションのCMに込めたメッセージ

POOL inc.代表

小西 利行 Konishi Toshiyuki

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SANKOという企業のCM制作にあたって、
人・仕事の関係性をどのように捉えていますか?

SANKOという企業のCM制作にあたって、
人・仕事の関係性をどのように捉えていますか?

私は2005年の「シュレッダーさん」から関わらせていただいているので、もう15年ほどのお付き合いになります。
SANKOさんのCMはアウトプットはとてもユニークなものに仕上がっていますが、実は制作にあたってはまずは斎藤社長からその時の社会情勢や人材を取り巻く状況、それに対するSANKOさんの考えや取り組みなど、じっくりと丁寧なオリエンをしていただき、それを踏まえてとても真面目に念入りにテーマを固めて制作に取りかかっているんです。
社長自らこうしたお話をしっかりとしてくださる企業というのはとても少なくて、しかもSANKOさんの場合は制作に関しては私たちに自由に任せていただけるというクリエイティブ側からすると非常にありがたくまた希有なクライアントだと言えます。
ただ自由度が高い分、こちらとしてはとてもプレッシャーがかかるという側面もあるんですけどね(笑)。

SANKOの魅力は
どんな点にあると思われますか?

SANKOの魅力は
どんな点にあると思われますか?

SANKOさんは静岡で長く続く企業、信頼もあるし真面目なイメージもある。
さらに「人」と「仕事」を題材にするとどうしても真面目でシビアなものになってしまいがち。
でも、TVCMは多くの方の目に触れるものだし、身につまされるようなトーンになってしまうと企業イメージの向上にはつながらない。
そこでSANKOさんの明るく真面目な企業イメージを訴求するためにも、多くの方々にできるだけ切実さや暗さを感じさせないCMにしよう、というのが私たちの最初からのスタンスでした。

その魅力をCMというメディア・ステージで、
どうコミュニケートしようとお考えですか?

その魅力をCMというメディア・ステージで、どうコミュニケートしようとお考えですか?

意外に思われるかもしれませんが、CM 業界では静岡というエリアは激戦区としてよく知られています。
実際に制作されているCMは、むしろ東京よりも先鋭的ではないかと思えるような作品があり、クリエイティブに携わる人間からもつねに注目の視線が注がれています。
そんなステージで制作公開するCMですから、いわゆるローカル色を感じさせることなく、全国レベルで通用するだけのクオリティを持たせることには特にこだわっています。
おかげさまで視聴者の方には「地方CMとは思えない」と言って下さる方もいるようでとても嬉しく思います。

『ハイパーマン®』は当社の登録商標です。

常に変化する時代の空気感は、
作品づくりにも影響していますか?

時代の空気というのは、企画を立てる上で勘案しなければいけないこと。
特に「仕事」というテーマに関しては、景気はもちろん、社会の動きや空気感などが大きく影響します。
端的に言えば、例えばシビアな労働環境が問題になっている時に、それを茶化したCMを作るわけにはいきません。
時代や社会のムードを敏感に抑えた上で、楽しめるCM、クスッと笑えるCMを創り上げるためにギリギリの線を見極めること。それは当初から変わらない基本線ですね。
ですから人の働き方を裏側から捉えてシニカルな笑いにした作品もありますし、またこうした切り口では身につまされてしまうと感じられるような時期には真正面からコミカルに捉えるなど、つねに時代ごとの微妙な空気感の中で「今、楽しく受け止めてもらえる」表現を突き詰め続けている感覚はあります。

『ハイパーマン®』は当社の登録商標です。

制作にはどんなスタッフが、
どんなスタンスで携わっているのでしょうか

制作にはどんなスタッフが、
どんなスタンスで携わっているのでしょうか

このCMに携わってくれているスタッフは皆さんが想像される以上の数に上ると思います。撮影現場を見ればきっと「こんなに多くの人が?」と思われるんじゃないでしょうか。
長年作らせていただいている中で、一緒に作ったスタッフが皆その後ビッグネームになっているんですが、そんな方たちに「SANKOさんのCMやるよ」と声をかけると、待ってましたとばかりにこぞって手を挙げてくれるんです。もちろん仕事ではあるんですが、いい意味で文化祭のようなノリですね。
制作は社長のオリエンに基づいて企画骨子をしっかりと固め、映像ディレクターやコピーライターなど参加している多くのクリエイターがアイディアやコンテを持ち寄り、打合せを繰り返しながらブラッシュアップしていくスタイルです。
アイディアを持ち寄る段階では全員が一人のクリエイターとして企画を練ることになりますから、それぞれが自由に発想できるんですね。
先にもふれましたが、私たちのクリエイティビティを信じて任せてくれる。そういうクライアントだからこそ挑戦しがいがあるし、またクリエイターとしてCM制作に携わることが楽しみでもある。それが現場のいい雰囲気を作ってくれている最大の要因だと思いますね。

これまでの作品で、
特に思い出に残っているものは?

1本のレールの上をずっと走り続けるのは楽しい、でも転職はできないという電車のキャラを描いた「電車編」は、メッセージ性も映像の仕上がり面もキッチリとしたものができたなと自分でも思っています。
もちろんその他にも思い出深い作品はいくつもあるんですが、完成度の面からもやはりこの作品になりますね。
背景のジオラマにもとても手が込んでいまして、実際の撮影ではひたすら細かい作業の連続で本当に大変な思いをしました。それだけに良くできているという声を聞くと嬉しいですよね。
またこの時のコピーが「キミは人で良かったね」だったんですが、仲間のコピーライターたちから「こんなコピーを書いていいのか?」と、とても驚かれたのも印象的でした。
これも電車というキャラクターだったからこそコミカルなCMになりましたが、もしも人をモデルにしていたら主題が重くシビアになりすぎて、とても笑えないんですよね。
アニメキャラやドラキュラ、狼男など、これまで人物以外のさまざまなキャラクターをモチーフにしてきましたが、それは誰にも好意的にメッセージを受け止めてもらえることを重視した結果なんです。

今回の働くって楽しい、はず。では、
特にどんなメッセージを意識されましたか?

「コロナとともにある働き方」が普通になり、にテレワークや副業、時短など、いろんな働き方を選択できるようになり、働き方は多様になったと思います。
でもその分、仕事ってなんだろう?と自分がどう働けばいいかわからない人も増えたのかもしれません。
働くことは楽しいこと。
それは理想だけど、真面目に言うと反感を買ってしまう。
でも、アートとかダンスとか、なんだかわからない…ぐらいの映像とともにそれがメッセージされると笑ってしまいますよね。そして笑っているうちに、「仕事は楽しいはずだな」と感じていただければ。そんなメッセージを意識しています。
実際にテレビでCMを見ていただいた時に、素直に楽しく感じられるか、笑えるかというのは、SANKOさんが発信するメッセージとして非常に大きな要素なんです。

見て楽しかった、何度も見たいと思っていただけること。そこにはとても神経を使っています。
SANKOさんのテレビCMをご覧になった方が少しでもハッピーな気持ちになり、SANKOさんという会社に好感を持ち、また人と仕事のあり方を前向きに捉えていただけたら、制作している立場としてとても嬉しく思います。

POOL inc.代表

小西 利行

KONISHI TOSHIYUKI

クリエイティブ・ディレクションからコピーライティング、都市開発や施設開発などまでを幅広く手がけるクリエイター。
これまでに日産自動車「モノより思い出」、サントリー「伊右衛門」など始め、数々の広告クリエイティブを担当し、CLIO、ニューヨークADC、ONE SHOW、TCC賞、ACC賞など多数の広告賞受賞歴を誇る。
2020年ドバイ国際博覧会日本館クリエイティブ・アドバイザー、宣伝会議賞審査員、ENGINE 01 文化戦略会議メンバー。

齋藤社長コメント

齋藤社長

齋藤社長コメント

これまで制作したどのCMも、私の想像以上に素晴らしい作品になっています。国内一流のクリエイターたちの知を結集したCMを通じて、おかげさまでSANKOの認知も上がっていますし、また多くの方から好意的に受け止めていただいています。
働き方というものは、時代の動きや景況、法的な枠組みによってつねに変化しつづけています。
しかしどんな時でも、私たちは働く人にもっともっと幸せになってほしいし、その結果として社会もより豊かになってほしい。その気持ちは変わりません。
私たちは人材会社として、より多彩で自由な働き方を提案すべく、どなたにも明るく伝わるような気づきと示唆に富んだメッセージをこれからも発信しつづけていこうと思っています。ぜひご期待ください。

Chronology

SANKO TVCM年表

制作年 タイトル 受賞歴
 
2003 「仕事いろいろ
エンジニア男性篇/派遣女性篇/製造女性篇」
   
2003 「うれしはずかし」    
2004 「あこがれ」/「朝からドキドキ」/「昼休み」    
2005 「シュレッダーさん」    
2005 「海綿さん」    
2005 「お面」 静岡県CMグランプリ 優秀賞  
2006 「記憶喪失」 静岡県CMグランプリ 優秀賞  
2007 「田中グッジョブ」    
2007 「新しい上司」    
2008 「電車くん」 静岡県CMグランプリ 優秀賞  
2009 「パワーロボ」    
2010 「職の唄」シリーズ 静岡県CMグランプリ 優秀賞  
2011 「ヒーローの転職」    
2012 「ポトーも転職」    
2013 「Workhard,be happy 重量挙げ」 静岡県CMグランプリ 優秀賞  
2014 「Workhard,be happy ハンマー投げ」 静岡県CMグランプリ 優秀賞  
2015 「ドクターワーキング」シリーズ
登場おハガキ篇/ホウレンソウ篇/直行直帰篇/つくり笑い篇/ビフィズス菌篇/第一印象篇
静岡県CMグランプリ 優秀賞  
2016 「ハイパーマン オープニング」 静岡県CMグランプリ 優秀賞 ACC 東京クリエイティビティアワード/ACC
CMフェスティバル(第57回地域テレビCMシリーズ部門ACCブロンズ)
2017 「ハイパーマン エンディング」  
2018 「ハイパーマン 予告」 静岡県CMグランプリ 優秀賞
2019 「ドラキュラ」 静岡県CMグランプリ 優秀賞 ぐろ~かるCM大賞2019
特別賞 トレンド・パロディ賞
2020 「狼男」 静岡県CMグランプリ 最優秀賞  
2021 「桃太郎 リモートワーク」 静岡県CMグランプリ 優秀賞  
2022 「桃太郎 DX篇」 静岡県CMグランプリ 優秀賞/
一般審査員賞
 
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